コラム


殖栗正登のバランス野球学

コアスタビリティー(続)とファンクショナルテスト(前)2009年12月19日

コスタビリティー(続)~そのテストと野球のパフォーマンスの関連性について~

 前回は体幹の固定力テストを説明しましたが、質問がありましたので今回は少々補足をしたいと思います。

体幹を固定する筋肉は、上は横隔膜、下は骨盤低筋群、後ろから多裂筋、前から腹横筋、そして横から内腹斜筋となります。
これらの筋を収縮し、固定した状態で四肢関節を動かすことによって、軸の崩れないパフォーマンスが成立します。またこれらを固定することにより腰の骨の4,5番の負担をおよそ40%減少できます。さらに加えると、腹横筋は胸腰筋膜とも連なっているので腰痛の予防にもなります。
私は野球で肘やヒザを手術、腰もヘルニアですが、体幹を固定するトレーニングをしてから再発はありません。自分でも身体を鍛えています。(実はまだプレイヤーの夢もあきらめていません)。パフォーマンスもバット速度140km/h は出ますし、球速も130km/hはでます。

一般の例を挙げても、「正しく」体幹を使うということは意外と行われていません。ジムでバランスボールを行っている人を多く見ますが、体幹を固定せずボールの反動と勢いを使って行っている人ばかりです。「これでは道具を使う意味がないなぁ」と感じています。せっかくのトレーニングがもったいないように思います。

前回紹介した体幹のスタビリティートレーニングは、野球選手ならぜひウォームアップなどに取り入れてほしいものです。
先にも紹介した通り、障害の予防にもなりますし、神経一筋の促通にもなりますので、ウォームアップには最適です。

基本的な体幹トレーニングは以下の流れで行うと良いでしょう。

【体幹トレーニング】

①ドローインをマスターしてください。(写2)

②前回やったエクササイズを行います。(スタビリティートレーニング

③それができたらいわゆるアウターマッスルを使った腹背筋のトレーニング

④ボールエクササイズ各種(写真3)

⑤メディシンボールなどのパワーエクササイズ

  • ○ドローイン(写2)
  • ○ドローイン(写2)
  • ○ボールトレーニング(写3)

    固定して、アウターマッスルで収縮

  • ○ボールトレーニング(写3)


私は高校野球のトレーナーをするなど、成長期の選手を指導する事も多々ありますが、今は情報が氾濫していて、間違ったやり方を行っている選手・指導者を見かけます。
例えば、いきなりメディシンボールのトレーニングをしているチームなど、基礎ができていない状態でやらせているケースも多いようです。

指導者の方にはまず
①のドローインから順に行うようにお願いしたいです。なぜなら、小中高生は成長中で怪我をしやすいからです。私は自分自身、障害で野球でベストパフォーマンスを出せなくなったせつなさ、悔しさを体験し、とくに「トレーニングで故障をしてはいけない」と考えています。



ファンクショナルムーブメントテスト~そのテストと野球のパフォーマンスの関連性について~

 次に私が行っているテストは、ファンクショナルムーブメントテストです。
スポーツのパフォーマンスにおいては、可動させるところはしっかり動かす、固定するところはしっかり固定するということが大切です。この基本を見るテストです。
これはメジャーリーグでも導入されているテストのひとつです。

【特徴】
①全部で7つあること
②最も基本的な動きであること
③動作の基本である固定部位と可動部位が、きちんとできているか見ること
④これらのテストが合格してからウェートトレーニングに入ること

 ここでは、なかでも重要な③についてお話しましょう。野球における可動性と固定性について、よくスポーツで柔軟性が必要と言われていますが、それはなぜなのでしょうか。

特に野球というスポーツにおいては、そんなに柔軟性は必要のないような気がします。イチロー選手が固いということは皆さんもご存知でしょうか。
ただ、誤解しないでいただきたいのは、ここでいう柔軟性とはパフォーマンスにおいて必要な可動域ということです。
例えば右投げの投手が左足を上げて投げるとき、左足が股関節屈曲障害などで上がらないとしましょう。すると軸足が余計に後傾してしまいます。(写4) この時点で体が開いてしまうということになってしまうのです。
 スポーツにおける可動性とはこういうことです。関節が固くなっていて動かないことにより、姿勢反射が起きてパフォーマンスが落ちる。また、ロスが生まれる。これを直すために関節モビリゼーションを加えたり、筋肉をストレッチしたり、神経~筋の促通がなされていないのなら、PNFを行ったり……という形になるのです。フォームを見る、直すということはこういうことだと考えてください。

○足の上がらないフォーム→軸足の後傾(写4)

 そして、固定性とは次のようなことです。片足になったときには足が1本になり、体がグラグラしてしまいます。このとき、重心から体軸にかけてが大きく崩れることを「バランスを崩す」というのです。
野球のフォーム、特にピッチングはこの片足の状態が多いのですが、たいていの投手はこのときにフォームを崩します。体軸を維持しながら体重移動をして左足が接地したとき、股間の上に頭があるかどうかが、今後スピードのあるボールを投げるという意味で大変必要になってくるのです。ですから、野球選手はコアスタビリティのトレーニングを行い、ぜひ脳にこの動きを教育して欲しいのです。

 先程も申し上げましたが、スポーツのパフォーマンスにおいては、可動させるところはしっかり動かす、固定するところはしっかり固定するということが大切です。この基本を見るのがファンクショナルテストであり、その上にあるのがパワートレーニング、さらにいわゆるテクニックがくるという3段構えなのです。



お問い合わせに関して

営業中は多忙なため,電話での質問にはなかなか対応しきれませんので、よろしければ一度来院してみてください。
ちなみに、予約は電話のみになっておりますので、宜しくお願いします。
私事になってしまいますが、フォームについてはありがたいことに大変多くの問い合わせをいただいております。
いずれこのページでも詳しく紹介していきたいと思います。

【電話番号】
ボディバランス整体院
03-3490-7182

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プロフィール

殖栗正登先生
  • 生年月日:1976年1月22日
  • 出身地:新潟県
  • 新発田南高校卒業後、立正大学に進学。
  • 怪我のため、野球部を退部するもプレイヤーとしての情熱を持ち続け、米国、台湾で野球(2軍練習生)として夢を追う。しかし、度重なる怪我によりプレーヤーとしての道を断念し、引退。
  • その後整体やカイロプラクティックなど、体に関する様々な分野を学び、整体とスポーツトレーニングを融合したボディバランス整体院を開設。
    現在、ボディバランス整体院で、多くのプロ野球選手から大学野球,高校野球などのアマチュア選手まで幅広く指導。モデルなども指導している。
殖栗正登先生